PGAとは
「Permanent Golden Age」永遠のゴールデンエイジの頭文字をとっているのが「PGA」だ。人間が成長していく過程で、3〜12歳の間に、心身の神経系がほとんど完成されるといわれ、見たものや見たことをマネして身体表現できてしまう最も吸収力の高い時期を「ゴールデンエイジ」という。この時期に様々な経験をすることは、体を鍛え、心を鍛え、脳を鍛えることに直結する。そうして手に入れることができる運動感覚、発想力、思考力、社会性、柔軟性、チャレンジ精神などは、生きていく上での基盤となり、文字通り、永遠に成長を続けていける素地になる。
PGAをスタートさせたきっかけ
私は10年間、中学校・高等学校で保健体育教師及び野球部の指導をしてきた。そこで感じたことは、「もう遅い!」だった。中学生ならまだいいが、高校生はもうほぼ大人だ。心も体も人格もほとんどそれまでの生育環境で完成されてしまっている。授業や部活動、クラス運営で様々な働きかけをしてきたが、大きく成果が見えた経験はなかった。特に忘れられないエピソードがある。2校目に赴任した学校は県内でも屈指の野球強豪校だった。もちろん部員もそれに見合った能力ある選手がたくさんいた。ある練習試合で、ファールボールが街路樹に引っかかった。とある部員に「取ってきて!」と指示すると、「どうやってですか?」と返事が戻ってきた。「木に登るんよ!」と言うと、「登ったことありません。」と。愕然とした。その学校はお世辞にも都会に位置しているとは言えず、自然の多い田舎にある。ましてや、野球強豪校の一部員でそれなりの運動能力があるのに”木に登ったこと”がないのだ。これは大きな問題だ。明らかに”遊んだ”経験が不足している。ちなみに、彼はのちにその高校のエースピッチャーになった。
自分が子供の頃はどうだったか
私自身かなり田舎の自然の中で育った。山の中の木にはちみつを仕掛けてカブトムシを採ったり、近くの川に入って岩場から飛び込んだり、大木に木片を打ち込んで階段にして木の上に秘密基地を作ったり、屋外で自由に思いつく限りに遊んでいた覚えがある。そのような経験の中で、ケガをしたこともあるし、友達とケンカをしたこともあるし、大人からひどく叱られたこともある。しかし、そこでこれ以上いってはいけないというラインを、身体的にも精神的にも学んできたように感じる。現代の子供たちはどうだろうか。
なぜ「遊ぶ」経験が不足しているのか
現代の子供たちは明らかに”遊ぶ”経験が不足している。原因は分かっている。「3間の減少」をご存じだろうか。3間とは子供たちが遊ぶための「時間」「空間」「仲間」のことで、これらが減少しているという指摘がある。現代の子供たちは時間に制限がある場合が多い。学校や塾、習い事などに費やす時間が多く、自由に遊ぶ時間が減少している。また、犯罪や事故、ケガを心配する親が子供たちを屋外で遊ばせることをためらう傾向がある。くわえて公園では禁止ルールが増え、自由に遊べる空間が減少している。さらにはスマートフォンやゲームなどのデジタルテクノロジーの普及により、子供たちは屋内での娯楽に多くの時間を費やすようになった。これらの要因が組み合わさり、身体的な活動や社会的な交流が減り、仲間も減少している。
遊ぶことの意義
屋外での活動は、子供たちの体力や運動能力を向上させる。走ったり跳ねたりすることで、筋力や持久力が増し、健康的な体の維持・向上に役立つ。また、自然との接触を楽しむことができる。木々や花、虫などに触れることで、自然への理解や愛着が深まる。さらに、広い空間で遊ぶことは、創造性や想像力を刺激する。自然の中で遊ぶことで、新しい遊びや冒険を見つけることができる。くわえて、友達や他の子供たちとの交流を通じて、コミュニケーション能力や協力の精神を育む。チーでのゲームや遊びを通じて、リーダーシップやチームワークも身につけることができる。他にも、自然の中で遊ぶことはストレスを解消しリラックスするのに役立つ。新鮮な空気を吸って心身ともにリフレッシュすることができる。このように遊ぶことは子供たちの健全な成長と発達にとって重要である。
PGAの目的とは
ここまで述べてきたように、現代社会の子育てにおいて「遊び」が減少していることは大きな問題である。そこで、PGA athleticsでは、ゴールデンエイジの子供たちに「遊び」の場や情報を提供し、失われつつある「3間」を取り戻し、人間としての基盤作りをすることを目指す。ただ「遊ぶ」だけではなく、これまで体育教師、野球指導者として培ってきた知識、技術を「遊び」に落とし込んで、体や心、脳を成長させるような仕掛けを体系的に取り入れる。様々な「遊び」を経験する中で、大人になってもずっと成長し続けていけるような「人間力」を育成することが最大の目的だ!
コメント
コメント一覧 (1件)
興味深い活動だと思います!
今後の活動も応援しています!